懐かしの味

kutuzawa2006-06-08

この歳になると 昔のことが良く思い出される 最近のことは忘れることが多いのが とんでもなく古い記憶が保たれているのは 不思議なことである 何か食べたとき これは昔食べた懐かしい味だということが時々ある この懐かしさというのは 幸福感を伴う 一種の快感である 
このごろは天丼を食べるときは てんぷら専門店によることが多い だから銀座に出向いたときは 橋善 とか 天国 などにゆく ところが近頃 橋善を訪れたときは橋善ビルというのがあるが 店がなくなっていた チェーン店で てんや というのがあるが安い割には なかなか食べさせてくれる 
天丼の懐かしい味は どこで得られるのであろう 昔は天丼 親子丼は蕎麦屋で食べたものだ 長い間 蕎麦屋の天丼を食べていない だいたい 蕎麦屋で出していた天丼は 衣がつゆで びしゃびしゃ していて 専門店の天丼のような ぱりぱり感のある衣でなかったと思う おそらく海老天をつゆに どぶづけ にしてご飯に載せるためだろう あのつゆで衣がびしゃびしゃになった天丼が食べたい 散歩で梅が丘に行ったとき 昔風の蕎麦屋があった 入って 天丼を注文した 出てきた天丼は えびの他に なす天が載っていた これは余計なものである なす天を食べてしまうと 昔らしい天丼になった 昔風のごま油で揚げたえび天はうまかったが 昔はもっとつゆが甘ったるかったと思う それにえびはこんなに大きくはなかった 小さなえびが大きな衣で包まれていた 
よりうまくなったのだから 文句を言うすじではないが 蕎麦屋の天丼もあまり昔風とはいえなかった