コーヒー3

これもずいぶん昔の話になってしまうが 勤めが定年になり 急に暇になった 家でぶらぶらしているのは トテモ違和感があった  それで ある大学の先生の実験のお手伝いをしたり パソコンのソフトウエアハウスでプログラムの開発のお手伝いをしたりしていた 月給はすずめの涙ほどであったが行くことにしたのだ 家内もかなりの違和感があったらしい 勤めに出ることは 月給のいかんにかかわらず大賛成であった
ソフトウエアハウスではSE(システムエンジニアー)は社長 この下にプロのプログラマーがいて主にプログラムを作っていた プログラマーというのは過酷な職業らしく 彼は絶えずコーヒーを飲んでいた コーヒーメーカーという機械がしつらえてあったが コーヒーは見る見るうちになくなった 社長は最初補給していたが あまり速くなくなるので補給しなくなってしまった 彼は仕方がなく缶コーヒーを自前で買ってきた 数が半端でない 7,8本の缶コーヒーである それを飲みながら タバコをくわえてキーボードを打っていた タバコも3,4箱が空になってゆく これは体に悪いと思って私が注意してみたが 聞くはずもなかった そのころの缶コーヒーは今のより長く大きくミルクコーヒーの類であった かなり甘く砂糖の量も7,8本も飲めばかなりの量だろう 砂糖のとりすぎになるのではないかと思ったが 脳がエネルギー源として利用できるのは糖分だけだときいたことがある 缶コーヒーの糖分は プログラマーのとして烈しく脳を使う彼の脳の活力源になっているのかもしれない
今の缶コーヒーは小さく好みによって色々ある 甘いもの 無糖のもの ミルクの多いものなどなど ボス ワンダ ファイア ジョージア いろいろあるが あまり大差がない
ところで お前さんは会社で なにをしていたかと聞かれるかもしれない 私はプログラムの枝葉のところ(サブルーチン)をつくっていました