くじら餅

家内が今日は大好きな珍しいものを買ってきてあげましたという くじら餅であった 私がいつも山形県にいたときのことを話すとき 頻繁に出てくる郷土菓子である デパートの物産展でみつけたのだった 
くじら餅はお菓子屋で売っているものではなく 各自の家庭でつくる物だった かなり手がかかるので 今はお菓子屋で買うようになったのだろう
似ているものに ウイロウ ユベシ がある くじら餅はこの2つより固く やわらかいうちは そのまま切って食べるが 硬くなれば焼いて食べる 
写真では長方形であるが 手製のは大きなナマコのような形で くじらに似ているので くじら餅となったのだろう?(と私は信じている)
これをつくるのには 米を水でやわらかくしたものを臼で はたいて粉にする この米粉に黒砂糖 くるみ などを入れて混ぜ蒸篭で長い間蒸してつくる 
冬の食べ物で 保存が利くので母はたくさんつくった 白いもの 豆のはいったもの 子供が喜ぶようにと 食紅を使い 赤いもの 青いもの などもつくった でも1番おいしいものは 黒砂糖 くるみ 味噌 が入ったものだっだ
この米粉をつくるときの 臼の音 トン コツン トン コツン という音を思い出す トンは杵で米をはたく音 コツンは粉が杵に付着するので 杵を臼の縁にぶつけて落とす音である
このくじら餅を食べながら 囲炉裏のそばで叔父の話を聞くのが特に楽しみであった