一神教(2)

ある説によると 明治政府は日本を欧米並みの国にしようと懸命な努力をしていた 欧米列強を観察して 欧米の強国はみな国の宗教を持っていて 国民はこの国教とも言うべき宗教のもとにまとまり 政治経済はもとより 人心を統一して軍備を増強 強力な国家になっていることを知った その欧米列強の宗教とは一神教(主にキリスト教)であった 日本を眺め回したとき 日本にはこの基本となる国の宗教が無いのを発見した 日本の宗教は多神教であったからである
多神教の国では諸外国から 未開の国家と誤解を生むかもしれない どうしても国の基軸となる国教がほしい そこで 国家神道という一神教を考え出した つまり伊勢神宮を中心とする神道を唯一の神とする あせった明治政府は廃仏毀釈などの行為にでた それまで日本人は神仏混交(神仏を分けないで信仰)で何の矛盾も感じなかった ソレを突然分離 そのとき多くの寺が廃されて 貴重な仏像まで破壊された 廃仏毀釈が無かったならば国宝は今の2倍3倍はあったろうといわれている タリバンが歴史的に貴重なバーミャンの巨大な磨崖佛を破壊したのと同じような愚行であったといえる まもなく廃仏毀釈は終わるが このころ西欧諸国に追いつけ追い越せの傾向があまりにも強いので 宗教と関係の無い貴重な城 美術品 など日本古来のものに価値が無いと誤解して破壊された ソレに価値を見出したのは西洋人だった
現在はテレビなどで 日本製品が世界で人気を集めているという この傾向を保ちたいものである