アインシュタイン

大学で 物理を習っていたころ 確か 学期末で 最終講義だったと思う 先生の遠藤教授が 君たちも感じているだろうが 物理学者には 大天才と言われている人がたくさんいる ガリレオ ニュートン ファラデー マックスウェル ハイゼンベルグ などなど しかし 誰が一番の大天才だと思う? 
その天才中の天才はアインシュタインだと思う というのは たいていの学者は 学究的な背景を持っていた 大学 とか 研究所とかにいて 研究をする雰囲気の中にいて おそらく 適した実験設備 アドバイスする先輩とか 同僚がいたと思う しかしアインシュタイン相対性理論を発表したとき 彼は単に特許局の役人だった そばに相談する人もなく 学究的にはまったくの孤独であった それなのに 彼一人で 物理学の大革命ともいうべき 相対性理論を考えたのであった まさに天才と言うしかない なるほど それ以来 私は アインシュタイン博士を人類の生んだ最高峰の頭脳として尊敬している
今年はアインシュタイン相対性理論を発表してから100年に当たるという 
テレビの“不思議発見”では アインシュタイン特集をやっていた 理論の説明は難解なので避けて エピソードを述べていた 1922年(私が生まれる3年前)に彼は日本を訪れている そして一ヶ月半滞在した その間 本当に熱烈な歓迎を受けたと言う 相対性理論の講演も行っていた 世界中でも 難解な相対性理論が理解できるのはほんの一握りの人だと言われていたとき 熱心に聞き入る日本人の中で はたして 何人の人が理論をわかったことか?
日本を去るにあたり 博士は 日本人は 礼儀正しく 親切で 誠実 勤勉 そのもので優秀な国民だと大変に褒めちぎった
今年も終わろうとしている 振り込め詐欺 建築設計のごまかし 幼児が自由に外で遊べない現実 などなど どんどん 人への信頼が薄くなってゆく 博士が生きていたら今の日本を なんと言うだろうか