元来 株の売買には 関心が薄い 株の上がり下がりを見て 一喜一憂するのは精神的に圧力がかかるような気がするからである 
しかし 近頃の 富士TV と ライブドアー の株の争奪戦 は株式のことについて いやでも知らされることになる そしてそのニュースはかなり面白い
子供のころを思い出すと 父はかなり株式相場が好きだったと思う 昭和10年ごろのはなしだが 新東という株があった 一番人気の株で株価の高下が激しく 投機の対象になった 新東の株価の上下を示す罫線(チャート)が新聞に載った 父は大きな方眼紙にこの罫線を毎日のように貼り付けて 長い間の株価の変化から 次の変化を類推していた 変化にパターンがあるらしく この形になったら 買いだとか 売りだとか言っていた ぼやきが多かったようなので あまり儲からなかったのだろう
ある日 父は母を連れて山一證券に行ったことがあった 帰ってきた母は会場の中に かかりつけの 耳鼻咽喉科の医者がいるのをみつけた そのお医者さんの家は大きな庭のある大邸宅であった あのお医者さんはもしかすると株でもうけているのかもしれない などと会話をしていたことを思い出す
戦後になってからであるが 私も父に薦められて 大日本土木 の株を買った覚えがある 手堅い会社で 株価がほとんど変動しなかった