今日は何の日

デイケアに行くと 会員が集まったところで リハビリの運動がある 運動をすぐ始めるのではなく スタッフが必ず聞くことがある 今日は何年何月何曜日ですか その日は 令和3年4月8日8木曜日という答えを会員から引き出す つまりメンタル面のリハビリから始まるのである そしてこの日は何の日かの説明がある 今日は ハチ公の日です そしてまた 寝台車の日でもあります なぜ寝台車の日なのか説明してくれた 耳が遠くなりよくわからなかったが 日本で最初に新台車が走った日らしい 後で スマホで調べると山陽本線で最初に新台車が運行されたと出てきた

新台車は生徒と北海道の修学旅行で初めて 上野から青森まで乗ったことがある たしか夕鶴という寝台列車で 寝台は3段ベッドになっていて狭く感じたが なるほど座ったままの夜行列車に比べると大変楽であった

青森に着くと連絡船にのり 津軽海峡春景色がみえる 函館につき それからがバスで北海道を一周の旅行がはじまる 最初に訪れたのがツキサップという牧場であった 旧制中学でならった英語の教科書に Spring has come in a meadow.という文にMeadowの絵が載っていた 実に そっくりな風景であった それにバスの窓から見えるところどころの背の高い円筒状で三角屋根のサイロ 外国にいるような気分を味わえた

雪印乳業も訪れた 少し中年の女性の説明員が工場内を回って説明してくれた 印象に残っているのは バターチャーン(Butter Churn)という機械で 巨大なステンレスのサイコロを対角線に沿って串刺しにした軸がある これを回転して 皆さんに愛されている雪印バターをつくりますという Churnとは耳慣れない語であるが かき回すという語であることが分かった 生徒たちが見学を終えて帰るとき さようなら バターちゃん と言って笑顔でわかれた

この頃北海道に行くのは汽車に乗り連絡船にのりまずつくのに1日かかったが貴重な経験であった バスでの巡回も長くグループごとに全旅程バスガイドさんと一緒である ガイドさんと仲良くなった生徒は帰りの連絡船でガイドさんたちとテープを交わしていて 中には涙ながらのお別れとなった

それから話が前後するが 上野での夜行列車に乗るときかなりの お母さんたちが娘を見送りに来ていた その頃の修学旅行は一大イベントだったのだ