ハンコ 3

ハンコ好きのことを書いてきたが 病院に入院するとき 書類に記入して捺印が必要だった リハビリ病院でも老健でも書類に捺印 それも それぞれがかなりの枚数に捺印を必要とした  今度の退院に当たって訪問医 訪問薬局との契約書も同じように多数の紙面に捺印が必要だった なるほど日本のハンコ行政が批判さるのも分かるような気がする 契約書と言う紙を使う限りハンコを押すことになるからである

ペーパーレス事務が議論されてからずいぶん久しいが少しも改善されていない感じがした ハンコ文化はお隣の中国から伝わったものだが この本家の中国でも日本の様に日常必要なものではなくなっていて美術品や芸術品扱いだそうである

中国と言えばアメリカが目の敵にするぐらい力を付けてきた 通貨に対しても安倍さんはキャシュレスを勧めたいと考えているらしいがなかなか進まない 中国は今ほとんどがキャシュレスらしい 5Gの導入なども中国が先をいっている感じである バブルがはじけて低成長を続けいた空白の時代にいつの間にか後れを取ってしまった 

これはよく言われているが 日本が先に成長をしていた運命的なものがあるように思える 日本は先に成長をしているので 不完全かもしれないがあらゆるものが出来上がってしまっていた それを踏襲しながら成長を遂げるには時間と手間がかかる 例えると 更地に家を建てるに事は簡単だが すでに建っている建物や施設を生かしたり利用したりしながら建てるには大変時間がかかる

それに日本は民主主義の国だ 小田急複々線にすることだって住民の許可をとれるまでどれくらい時間がかかったことか ハンコを役所から銀行から不動産屋からなくすと言っても大変な時間がかかることは想像できる 実印を届ける その印鑑証明などはお役所仕事である これを本当になくせるのか

だが今回のコロナ騒ぎでこの欠陥があぶり出されて そういうことも言っていられなくなった ある社員はハンコを押すためにだけ出社しなければならなかったからである 

それに3Dプリンターができた今日 同じような偽物のハンコをつくるのは簡単だという だとすると捺印してあってもその確証性が怪しくなってしまう

日本人は働き者で有名だが そのはたらきかたは必ずしも能率的でないと言われている ハンコ行政が足を引っ張っているのかもしれない

NHKで 日本人のお名前 という番組では少なからずハンコが出てくる 私だけでなくハンコ好きの日本人が多いことが分かる

銃社会アメリカで銃規制がほとんど進まないことと同一視をされたくない ハンコは伝統的で美しいと思うが時代にだんだん合わなくなってきているだけである

大学時代W先生の研究室で卒業研究を書いていた仲間4人は仲が良く 卒業後も集まって都内や近辺の名所などを見て昼食を共にしていた その中にK君がいた K君は撮った写真を皆に配るのを楽しみにしていた あるときいつも使っている小型のデジカメでなくフイルム使用の昔の名機を持ってきて写真を撮ってくれた あとから どうもうまく撮れなかった やはり昔の名機とはいえ デジカメに適わないことが分かったという K君も時代の潮流には勝てなかったのである