現在という時間の不思議

80代のころは よく大学時代の友達のHが訪ねてきた Hは議論を吹っ掛けるが好きであった そのHが来なくなって久しい Hはなくなってしまったからだ とても寂しいと同時に彼の持ちだした議論を思い出す

いったい現在とは何だろう 10分前のK(私の名)は過去のKで 10分先のKは未来のKだ そして 時間を細かくして1秒後のKは過去のK 1秒先のKは未来のK さらに細かく考えて 0.1秒後のKは過去のK 0.1秒先のKは未来のKだ この理論はさらにこまかくして

0.000000000000000000000001秒後のKは過去のK  

0.000000000000000000000001秒先のKは未来のK  

さらに0.00の0を無限に増やしてものすごく短い時間をかんがえても この過去のKと未来のKが考えられる つまり究極の短い現在を考えると限りなくゼロに近い つまり0と考えてもいい ところで0をいくら足しても0である ということは現在という時間が0ということになってしまう 現在の時間が0ということは 時間は止まってしまう これはギリシャ哲学のパラドックスになってしまい 時間がゼロだから いつまでたっても進行しない  このパラドックスが起こるのは時間を無限に分けることができると考えたためだ 時間でもこれ以上分けられないという時間の粒のようなものがあると考える そして このパラドックスを避けるため エネルギーや電気量」など 物の最小単位に 量子があるように 時間の最小単位 量子時間というものがあるのではないか つまりこれ以下の短い時間がないので 量子時間を分けることができないので パラドックスは起こらない

おいH 御説はわかったが もしもだ 量子時間を半分にできたらどうなるんだ これ以上分けられないといっただろう でも もし半分にできたとして もうそれは時間と言えないのでそれこそ時間のない世界 つまりこの宇宙ができる前の無の世界になると思うよ