老化(2の続き)

日本の伝統芸術 文楽の人形芝居は 人形遣いが多いときには3人で文楽人形を操る つまり 首 左手 右手を操る人形遣いがいるのである 人形の動きと仕草 を見るのが最も良い見方であるが どうしても人形遣いに目が行ってしまう 文楽の愛好者は 人形に目が行き 人形遣いは透明人間のように無視できるそうであるが なかなかそこまで行くのは大変だろう
私の弟が大学の部活動で映画研究会に入った 部活動で宇野重吉主演の撮影現状を見学に行ったそうである 後に映画界の重鎮となる宇野重吉も監督にケチョンパンに怒られているのを見て 映画演劇の世界は大変だなと思ったそうである しかしその後 弟は 映画を見るたびに 画面の前に撮影用のカメラがあることを意識してしまって 映画を見るのがつまらなくなったと嘆いていた
テレビの字幕を出してみていると 人の争う声とか 自動車のエンジンの音とか知らせてくれると 作り物であることをいやでも意識させてくれる 文楽のようになれれば苦にならないかもしれない 所詮 映像になっていることは 作り物には違いないので 割り切ってみていればいいのだが
女性アナウンサーの声がハスキーに聞こえたり 女性の声が妙にキュキュと言うように聞こえる これは補聴器が高音を補強してるためらしい 老人は高音部が聞こえにくいので そうなっているためだと思われる